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JAL Wellness 2030

女性の健康

女性ホルモンの働きを理解し、各年代に応じた健康管理を心がけましょう。
定期的な健診と適切な生活習慣が、健やかな未来をつくります。

目次

女性特有の病気

月経困難症

月経異常は大きく「周期の異常」と「経血量の異常」に分類されます。子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫など婦人科系の病気のほか、ホルモンバランスの乱れや排卵障害などの要因があるので、必要に応じて疾患に対する治療や薬を使い、月経を正常にする治療を行います。また、月経中に日常生活が困難になるほどの下腹部痛などの体調不良がある場合を「月経困難症」といいます。つらいと感じたら早めに医師の診察を受けましょう。

PMS(月経前症候群)

PMS(Pre Menstrual Syndrome、月経前症候群)とは、月経開始の 3〜10 日前から、のぼせ、下腹部膨満感、下腹部痛、腰痛、頭痛、イライラ、憂鬱になる、といった精神的・身体的な症状のこと。また、特に精神的症状が重く、日常生活が送れないほど深刻な場合はPMDD(Pre Menstrual Dysphoric Disorder、月経前不快気分障害)といいます。現在、日本では 70%以上の女性が PMS の症状を持ち、1.2%の女性が PMDD という報告もあります。明確な原因は不明ですが、排卵後の女性ホルモンが影響しているようです。治療には漢方薬、ピルなどのホルモン剤、メンタルの薬やビタミン剤などが用いられることがあります。PMS を自覚し、理解することで健やかな生活をおくる助けにもなります。

子宮内膜症
自覚症状
月経痛、下腹部痛、月経異常、性交痛、腰痛
発症しやすい年代
20歳代〜

本来は子宮の内腔にある子宮内膜の組織が、卵巣やお腹の中など子宮以外の場所で増殖する病気。子宮内膜は月経期になると排出されますが、子宮以外の場所では血液や内膜が体内に蓄積し、周りの組織と癒着したり、チョコレート状のしこりができることからチョコレート腫とよばれることも。これが、腰痛、月経痛、下腹部痛、性交痛の原因となります。子宮内膜症は 20〜30 歳代の女性に多くみられる病気で、不妊症の原因の 20〜40%という調査もあります。ときに手術が必要な場合もあり、近年ではさまざまな治療薬が開発されています。

卵巣嚢腫
自覚症状
腹部膨満感、腰痛、腹痛
発症しやすい年代
20歳代〜

卵巣にできる良性腫瘍の総称が卵巣のう腫。卵巣に液体の分泌物がたまって腫れている状態で、液体が卵巣にたまる「漿液性粘液性のう腫」、子宮内膜症が卵巣の中で起き、血液や細胞が卵巣にたまった状態の「チョコレートのう腫」、髪の毛、歯、脂肪といった内容物がたまる「皮様のう腫」があります。卵巣は「沈黙の臓器」と呼ばれるくらい、初期には自覚症状がなく、破裂、捻転、悪性化をおこすこともあり、定期的なチェックが重要です。

子宮筋腫
自覚症状
月経異常、貧血、腹部のしこり、頻尿
発症しやすい年代
30歳代〜

子宮にコブのような塊ができる病気です。30 歳以上の日本人女性のうち、3〜4人に1人の割合で発症します。女性ホルモンが関係しており、筋腫のできる場所、大きさ、数はまちまち。妊娠時の発見も多く、問題がなければ放置することもありますが、流産・早産・帝王切開のリスクも。大きさ、性状、位置、貧血や妊娠希望の有無によっては手術も必要になり、不妊症の原因になる場合もあるので、気になる症状があったら受診しましょう。

骨の健康(骨粗しょう症)

骨粗しょう症とは、骨強度(骨の強さ)が低下して、骨折しやすい状態になることを言います。「お年寄りがかかる病気」というイメージがある方も多いかもしれませんが、実は働き盛りの年代(40〜50 代)や若い女性でも、痩せている人や偏った食事をしている人は、年齢にかかわらずリスクが高まります。女性がかかりやすく、患者さんの約 7 割が女性です※1。

年齢と閉経に伴う骨量の変化グラフ。閉経後に女性の骨量が急激に減少し骨粗鬆症の範囲に入ることを示す。

誤ったダイエットにより、食事で必要なエネルギー量や栄養がとれていなかったり、運動不足や睡眠不足だったりすると、骨の成長が阻害され、骨密度を増やすことができず、10 代であっても骨折しやすくなる傾向が見られます。さらに、骨や筋肉が十分に発達しないことで姿勢が悪くなったり、顔の輪郭がたるみやすくなるなど「老け顔」といった見た目の変化にもつながる可能性があります。

骨密度は女性の場合、18 歳前後でピークに達し、50 歳前後から徐々に低下していくため、各年代に応じた適切な対策が必要です。特に、骨量減少状態や骨粗しょう症の疑いがあると指摘された場合には、食事や生活習慣の改善に加え、医師の指導のもとで薬による治療が必要になることもあります。早めに医療機関を受診し、適切な対応を行うことが、将来の骨折予防や健康維持につながります。

カルシウム摂取推奨量と実際の摂取量の比較グラフ。20〜69歳の全年代で平均摂取量が推奨量を下回っている。

骨粗しょう症を予防するためには、カルシウムの十分な摂取が重要です。しかし、多くの女性は、推奨される摂取量に対して実際に摂取しているカルシウムの量が不足していることがわかっています※2。また、骨の健康を保つためにはカルシウムだけでなく、その吸収を促進するビタミンDや、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンK、さらに骨の形成に関わるマグネシウムなど、さまざまな栄養素の摂取が欠かせません。

特に、成人すると今以上に骨量を増やすことが難しくなるため、17〜20歳までに栄養と運動でしっかり骨を強くしておくことが将来の骨粗しょう症予防に直結します。

  • 骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会 編:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン 2015 年版
  • 国民健康・栄養調査報告および日本人の食摂取基準より

若年層の女性で特に気を付けたい「やせ」

若い女性の世代では「やせ」が問題になってきています。厚生労働省が実施している、令和元年度国民健康・栄養調査の結果では、20 歳代〜30 歳代の女性の 18.1%、つまり約 5人に1人が「やせ」という結果が出ています。

BMIの計算式。BMI=体重(kg)÷身長(m)×身長(m)

「やせ」は、さまざまな健康リスクを高めます。誤ったダイエットなどによる偏った食生活は、鉄欠乏など栄養不良のリスクを高め、だるい・疲れやすいといった症状などをもたらします。身体に必要な栄養が不足すると、筋肉量の低下などとともに、月経異常や無月経などが起こることもあります。その結果、女性ホルモンが正常に分泌されず、骨量が低下し骨粗しょう症のリスクが高まります。

「やせ」の影響は赤ちゃんにも見られ、「やせ=低栄養」状態で妊娠した場合、2,500g 未満の低体重児の出産は将来、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが高くなると考えられています。

生活習慣では、1日3食、主食・主菜・副菜をそろえた食事を意識しましょう。

主食だけでなく、副菜をプラス

毎日の生活で、ちょっと栄養が偏ってきたなと思ったら、まずはできる一歩から始めてみましょう。

  • 主食だけでなく主菜・副菜をプラスする
  • 同じ品数でもタンパク質(鶏肉など)入りサラダや具沢山スープを取り入れる
  • 忙しいときは野菜ジュースなどをプラス

特に意識して摂りたい栄養素「鉄」

女性のからだは、月経や妊娠などによって鉄分の損失が多く、毎日しっかり補うことが必要です。月経のある人は、1 日あたり約 1.3mg の鉄を失っているとされており、これは食事からの継続的な補給が不可欠であることを意味します。

「鉄剤を飲んでいるから安心」と思わず、たんぱく質やビタミン類も一緒に摂ることで、鉄の吸収が高まり、健康的な体づくりや美しさの維持にもつながります。

女性の低体重/低栄養症候群(FUS:ファス)

日本肥満学会は 2025年4月、若年女性の痩せすぎによる健康リスクに関する新たな疾患概念「女性の低体重/低栄養症候群(FUS)」を提唱しました。

標準体重を保つ

「やせ」は BMI(体格指数)で定義されており、BMIが18.5 未満の場合をさします。「やせ」は栄養不足の結果と言えます。体に必要な栄養が不足すると筋肉量の低下などとともに、月経異常や無月経などが起こることもあります。

生理が止まるということは卵巣から女性ホルモンが正常に分泌されなくなるということ。つまり更年期の閉経と同じような状況になります。骨量が低下して骨粗鬆症になったり、卵巣が正常に機能しなくなったりすると不妊にもつながります。

また、女性が「やせ=低栄養」状態で妊娠した場合、2500g 未満の低体重児の出産につながることもあります。日本では現在 10 人に 1 人の赤ちゃんが低体重で生まれています。この低体重で生まれた赤ちゃんは、将来、糖尿病や高血圧などの生活習慣病になるリスクが高くなるということがわかっています。

自分自身の健康だけではなく将来生まれてくる子どもの健康のためにも、低栄養にならない食生活とともに、適切な体重管理を心がけましょう。

女性ホルモンの働きを理解し、ゆらぎの波に上手に乗る

月経周期と女性ホルモンの変化を示した図。低温期(リフレッシュ期・ハッピー期)と高温期(リラックス期・スロー期)の4段階と、エストロゲン・プロゲステロンの変化、生理痛・PMSの不調時期を図示。

女性ホルモンとは、おもに卵巣から分泌される「エストロゲン」と「プロゲステロン」のことを指します。この 2 つのホルモンは排卵や月経をコントロールするだけでなく、女性の心身に大きく影響しています。

  1. 生理中(リフレッシュ期):全身がだるくなって眠い時期。生理痛、頭痛、冷え性などさまざまな不調あり。
  2. 生理後〜排卵前(ハッピー期):気分も明るくアクティブに。お肌の調子も良く、脂肪も燃焼されやすい。
  3. 排卵後(リラックス期):便秘やむくみ、肌荒れなど低空飛行。無理はせず休養とリラックスを心がけて。
  4. 生理前(スロー期):イライラや集中力の散漫など身体も心も不調な時期。規則正しい生活、バランスのよい食事、ストレスを溜めないなど基本の生活を心がける。

たばこはやめる

自身の喫煙はもちろん、受動喫煙であっても有害性が高いです。

たばこの煙には、4000種類以上の化学物質が含まれ(そのうち 200 種類は有害)、なかでも、ニコチンの依存性と交感神経刺激作用、一酸化炭素の酸素運搬阻害作用、活性酸素の酸化作用や炎症惹起作用、タールの発がん作用が、大きなリスクをもたらします。

女性ではさらに、エストロゲンの代謝を促進し、その働きを弱める作用が知られています。喫煙は全ての女性の年代で大きなリスクが伴います。

禁煙をすることは、生涯のどの時点でも、それ以降の疾患を防ぐ効果が非常に高い治療法といえます。

婦人科健診を受ける

子宮がん検診、乳がん検診を受けるには、3つの方法があります。

  1. 自治体の検診補助:20歳以上あるいは40歳以上の女性を対象に、無料あるいは一部負担で、1〜2年に1回受けられます。
  2. 企業検診:健康保険組合に加入している人を対象に企業が行っているもの。JALグループの被扶養配偶者、任意継続・特例退職被保険者、社員も含め、婦人科健診の単独での受診が可能です。
  3. 個人負担:個人の希望で好きなクリニックや病院を選び、随時受けることができますが、負担額は大きくなります。

子宮頸がんや乳がんなど、女性のがんは特に、症状がなく進行しますが、検診を定期的に受けることによって早期発見し完治できる病気です。検診の受診を習慣にしましょう。

生活習慣を見直す

からだは自分が食べたものでできていて、健康の基盤は「栄養」が支えています。栄養をバランスよく摂って心身がすこやかであれば、肌や髪、爪は美しく、体重も適正数値にコントロールしやすくなります。

厚生労働省の調査結果では、日本の成人の標準的な睡眠時間は6〜7時間未満となっており、なかでも睡眠時間が 6 時間未満の割合は、家事や育児、仕事と忙しい40代の女性が高いです。入眠後およそ6時間〜7時間半での目覚めが良いとされています。

20〜30歳代のセルフチェック

仕事に遊びに恋愛に、いろいろなことに興味を持って、一生懸命取り組もうとする年代。でも、「まだ若いから」「元気だから」と油断していると、病気のサインを見逃してしまうかも。

20〜30歳代向けセルフチェックリスト。生理周期・食事・運動・睡眠など13項目についてA・B・Cで回答する。
チェック結果Aが多い「ストレス過剰タイプ」の解説。うつ病・代謝異常・脂質異常症・自律神経失調症・不眠症・摂食障害・偏頭痛のリスクに注意。
チェック結果Bが多い「カラダ冷え冷えタイプ」の解説。頻尿・月経異常・月経不順・不妊症・冷え性・貧血・肩こり・便秘のリスクに注意。
チェック結果Cが多い「ホルモンバランス崩れタイプ」の解説。不妊症・月経異常・PMS・甲状腺疾患・月経痛・プレ更年期・不眠症のリスクに注意。

40歳代〜のセルフチェック

仕事では責任ある立場や教育的な役割を任されたり、子育てや家事に尽力したり……と、誰かに頼られることが多いこの年代。ついつい、自分のことを後回しにしていませんか?

40歳代以上向けセルフチェックリスト。耳鳴り・のぼせ・感情の不安定・食欲など13項目についてA・B・Cで回答する。
チェック結果Aが多い「ストレス・不安過多タイプ」の解説。自律神経失調症・不定愁訴・脱毛・薄毛・うつ病・不眠症・偏頭痛のリスクに注意。
チェック結果Bが多い「エネルギー不足タイプ」の解説。便秘・下痢・冷え性・下肢静脈瘤・骨粗しょう症・慢性疲労・自律神経失調症のリスクに注意。
チェック結果Cが多い「ホルモンバランス崩れタイプ(更年期障害)」の解説。甲状腺疾患・更年期障害・うつ病・自律神経失調症・脂質異常症・メニエール病のリスクに注意。

女性の健康のポイント

女性ホルモンの働きを理解し、各年代に応じた健康管理を。

  • ホルモンバランス
  • 定期検診
  • 生活習慣の見直し
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