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新型コロナウイルスとは?

新型コロナウイルスは、中華人民共和国湖北省武漢市において令和元年12月以降報告され、その後世界各国でも発生が報告され感染が広がりました。
「新型コロナウイルス(正式名はSARS-CoV-2)」はコロナウイルスの一種です。コロナウイルスはその形が王冠のようにみえることから、王冠を意味する「コロナ」という名前がつけられました。比較的性質が変わりやすい(変異しやすい)タイプのウイルスです。風邪の原因として知られていますが、2002年に発生した「重症急性呼吸器症候群(SARS)」や2012年に発生した「中東呼吸器症候群(MERS)」の原因であったことから有名になりました。新型コロナウイルスは、これまでとは違う新種のコロナウイルスです。

新型コロナウイルスの感染経路

新型コロナウイルスは飛沫感染、接触感染で感染します。手、口、鼻から体の中に入ってくると考えてください。コロナウイルスは、症状がない状況でも感染させる力があるのが特徴です。お互いに症状がないから大丈夫だと思い込んではいけません。

飛沫感染:感染者の咳やくしゃみ、会話の際のツバなどによってウイルスが水分に包まれた状態で飛んできます。せいぜい1~2mの範囲までしか飛びませんが、それを口や鼻から吸い込んで感染します。
接触感染:病原体に触った手で口や鼻、目などを触って感染します。

新型コロナウイルス感染症の症状

感染と感染症の違い 感染してから感染症になるまでの期間を潜伏期と呼びます。新型コロナウイルスの潜伏期間は、1日から14日の範囲で、一般的には5日前後と推定されています。
感染症とは、体内で増えた病原体のせいで発熱や吐き気、下痢や咳などの症状が出ている状態を指します。一方で感染とは、感染症になる前の、ウイルスや細菌などの病原体が体内で増え始めた状態(症状はまだ出ていない状態)を指します。もし体の抵抗力が強ければ、感染しても感染症にならずに病原体に勝つ(体から病原体をなくす、病原体の活動を止める)ことができます。その場合は症状がないまま(潜伏期だけ)です。 感染症の症状 初期は、いわゆる「かぜ」と同じような症状です。中には、症状が出ない人もいます。WHO(世界保健機関)は最も多い症状として以下をあげています。​

  • 発熱
  • 倦怠感
  • 乾いた咳(たんの出ない咳)


また、体の様々な痛み・鼻づまり・鼻水・喉の痛み・下痢などの症状が出る場合や、味覚・嗅覚がなくなる症状を訴える方もいます。発症者の80%は発症から1週間程度で回復します。
発症者の約20%が重症化すると言われています。普通の風邪症状が出てから約5~7日程度で、症状が急速に悪化して肺炎になり、呼吸困難をおこすと言われています*2。この場合は入院が必要となります。
そして、発症者の約5%の人は集中治療を必要とするほど重症になると言われています。重症化しやすいのは高齢者と持病のある方(糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方)が多いですが、若い人や持病の無い方であっても油断は禁物です。

WHO 「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する Q&A」
厚生労働省 「新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)」

予防方法

新型コロナウイルスの感染を防ぐには、とにかく手洗いやマスク、消毒をすることと、人との距離を保つことが大切です。また普段の生活習慣をととのえて、抵抗力を向上させておくことが大事です。
詳細についてはこちらのページに記載されています。

ワクチンについて

ワクチンの効果 生活習慣をととのえるだけでなく、ワクチン接種をすることでも抵抗力を向上させることができます。JALグループでは、2021年6月14日から職域接種が開始されました。
ワクチンは病原体のフリをして体の抵抗力である「免疫」に練習試合をさせ、本物の病原体との闘い方を事前に覚えさせます。
ワクチンに期待する効果には、以下のようなものがあります。

  • 感染しなくなる(感染の予防)
  • 感染しても発症しなくなる(感染症の予防)
  • 発症しても重症化しなくなる(重症化の予防)
  • 接種していない人でも感染しにくくなる(集団免疫の獲得)

これらの効果は簡単には実現できません。また、効果があることを科学的に証明するには時間がかかります。そして、ワクチンを接種した後どのくらい早く効果が表れるのか、その効果はどのくらい長続きするのか、そもそもワクチンが十分安全なのかなどもワクチンの開発の中で調べていく必要があります。ワクチンは、さまざまな課題をクリアして初めて使えるようになります。そして、使い始めた後も継続してこうした調査が行われます。

ワクチンは作り方によっていくつも種類があります。ワクチンの作り方の代表的なタイプは以下の4つです。このほかに、対象とする病原体で分ける方法もあります。

  1. 生ワクチン
  2. 不活化ワクチン
  3. トキソイド
  4. その他

・生ワクチン
病原体を加工して、感染する力や症状を起こす力をぎりぎりまで弱めたものです。別の病気などで体の免疫力が極端に落ちている場合などには、感染症になってしまう可能性があります。麻疹やおたふくかぜのワクチンがこのタイプです。
・不活化ワクチン
病原体を加工して、病原体の持つ感染する力や症状を起こす力をなくしたものです。複数回接種する必要がある場合があります。ポリオや子宮頸がんのワクチンがこのタイプです。
・​トキソイド
病原体ではなく病原体が生み出す毒素を倒すためのワクチンです。ジフテリアや破傷風といった菌が生み出す毒素に対して作られています。
・その他
新しい技術を使ったワクチンも開発されています。たとえば、病原体を部品に分解してしまい、その部品をうまく使って体に練習させるワクチンがあります。使われる部品は、多くの場合病原体の設計図になっている部分です。たとえば、病原体の遺伝子(DNAなど)や核酸(mRNA(メッセンジャーアールエヌエー)など)などが使われます。使う部品を間違えてしまうと免疫がうまく鍛えられないため、研究が大変です。
今回、世界で使われ始めた新型コロナワクチン(ファイザー社やモデルナ社、アストラゼネカ社のワクチン)はこうした新しいタイプのワクチンです。 新型コロナワクチン 新型コロナワクチンの開発では、新しい作り方が次々に試されています。今、世界で使われはじめた新型コロナワクチンには、二つの新しいタイプのワクチンがあります。一つがmRNA(メッセンジャーアールエヌエー)ワクチン、もう一つがウイルスベクターワクチンです。

厚生労働省「第1回新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業に関する自治体向け説明会 資料」

・タンパク質の設計図を使うmRNAワクチン
mRNAワクチンは、ウイルスのmRNAを使ったワクチンです。mRNAとは「たんぱく質の設計図」の総称で、人の体の中にもある物質です。新型コロナウイルス向けのmRNAワクチンでは、ウイルスの表面にあるたんぱく質(名札のようなものと考えてください。これをスパイクたんぱくと呼びます)の設計図となるmRNAを使っています。
mRNAワクチンを体の中に入れる(ワクチンとして接種する)と、体の細胞(筋肉注射の場合は周りの筋肉の細胞)がこのmRNAを使って新型コロナウイルスの名札を作ります。体の免疫は、これを相手に新型コロナウイルスとの闘い方を覚え、抵抗力を鍛えるという仕掛けです。
mRNAは非常に脆いので、数時間のうちに壊れてなくなってしまいます。また、名札になる部分のたんぱく質の設計図だけを使うので、コロナウイルスの感染が起きることはありません。mRNAワクチンは新しいですが、研究は長く続けられてきたものです。今後はがんの治療への応用にも期待されている技術です。

・遺伝子を使うウイルスベクターワクチン
ウイルスベクターワクチンの働きはもう少し複雑です。このタイプのワクチンでは、病原体である新型コロナウイルスのほかに、ワクチンの担い手として別のウイルスが登場します。この担い手をウイルスベクター(運び屋ウイルス)と呼びます。
このウイルスベクターに、新型コロナウイルスの遺伝子の一部を持たせます。運び屋が新型コロナウイルスになるわけではありません。
このウイルスベクターを体の中に入れる(要は、運び屋ウイルスの感染を起こします)ことがワクチンの接種にあたります。体の中に入ったウイルスベクターは、自分が運んでいる新型コロナウイルスの遺伝子(ワクチンに使う部分です)を体の細胞に渡します。その細胞は、この遺伝子を使って新型コロナウイルスの名札を作ります。その先の仕組みはmRNAワクチンと同じです。この技術も長く研究されており、すでに他の病気の治療にも使われています。

CDC 「COVID-19 Vaccination」

日本国内で承認された新型コロナワクチンには、三社のものがあります(2021年6月28日時点)。そのうちファイザー社のワクチン、モデルナ社のワクチンはいずれもmRNAワクチンです。どちらも2回の接種が必要で、筋肉注射で接種します。ファイザー社は21日間隔、モデルナ社は28日間隔で接種することとなっています。
一方、アストラゼネカ社のワクチンはウイルスベクターワクチンです。こちらも2回の接種、筋肉注射で28日間隔となっています。ワクチンの効果や有害事象はワクチンのタイプ、メーカーによって異なります。

ワクチンの副反応について

WHO(世界保健機関)によれば、有害事象が起きる原因は次の5つに分類されています。このうち、ワクチンそのものが原因となった有害事象を「副反応」と呼びます。

  1. ワクチンの成分に関連するもの
  2. ワクチンの品質が低いために起きるもの
  3. ワクチンの取り扱いミスによるもの
  4. ワクチンへの不安によって起きるもの
  5. ワクチンには直接関係なく偶然起きたもの

①②ワクチンそのものが原因となった有害事象で「副反応」と呼ばれます。よく見られる、比較的軽い副反応には接種後の発熱や倦怠感、接種した場所の痛みや腫れなどがあります。経験したことがある方もいるのではないでしょうか。水分補給や解熱剤などで対処することがあります。
また、ワクチンによる反応でよく耳にするものとして、「アナフィラキシー」というものがあります。これは、アレルギー反応の一つです。重症または重篤な副反応となる場合がありますが非常にまれで、ワクチンのタイプによりますがおおまかに100万人に1~2人の頻度です。多くの場合は、接種後30分以内に息苦しさや皮膚の痒みが表れます。予防接種後30分は医療機関で様子を見たり、医療機関へすぐに移動可能な場所で待機したりしておくと安心です。ほとんどの場合は適切に処置をすれば治療が可能で、国内ではワクチンによるアナフィラキシーで亡くなったという報告はありません。
アナフィラキシーは、ワクチンの成分などにアレルギーをお持ちの方で注意が必要です。また、食べ物アレルギー、特に鶏卵アレルギーのある方で注意が必要だと言われることもありますが、これまでにワクチンでアレルギー反応を起こしたことがある方でなければ実際には危険性は低いと考えられています。心配な方は事前に医師に確認しましょう。
③ワクチンの製造や保存、輸送、接種の際のミスによるものです。たとえば、ワクチンが製造される途中、製造されてから医療機関に届くまで、医療機関に届いてから接種するまでのどこかでミスがあった場合に、このタイプの有害事象が起きる可能性があります。ワクチンを接種したら、いつ、どの医療機関で、どのワクチン(製造(ロット)番号)を接種したかを記録しておきましょう。将来的に自分を守ってくれる大切な情報です。
④主に不安が原因で接種の際や直後に気分が悪くなって吐いたり、失神してしまうことがあります。ワクチンへの不安は、事前にしっかりとワクチンについて知っておくことで予防できる可能性があります。正しい情報を身につけて不安を減らしていただくことが大切です。
⑤ワクチンやその接種とは無関係なものです。ただ、無関係であることの証明は簡単ではなく時間がかかります。証明には、ワクチンを受けたグループとそうでないグループで同じ反応が起きる程度を比べる必要があるのです。たとえば、ワクチンを接種した翌日に不幸にも亡くなった方がいたとして、それがワクチンのせいなのか、ワクチンと無関係であるのかがわかるまでに時間がかかるのです。このため、(結果的に)不安をあおるようなニュースが続いてしまう場合があります。

副反応がでたら

先述の通り、よく見られる有害事象には、ワクチン接種後の発熱や倦怠感、接種した場所の痛みや腫れ、アレルギー反応などがあります。熱や痛みは数日で治ることがほとんどですが、「あれ?」と感じたり長引いたりした場合はすぐに接種した医療機関に相談してください。

万が一、ワクチン接種により健康被害が生じてしまった場合、国による健康被害救済制度があります。新型コロナワクチンの接種についても、健康被害が生じた場合には、予防接種法に基づく救済を受けることができます。お住いの各自治体に相談しましょう。詳細は厚生労働省のページから確認することができます。