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こころの不調のサインを知るIllness

こころの不調のサインを知る
こころの病気は、誰でもかかりうる病気です

こころの病気で病院に通院や入院をしている人たちは、国内で約420万人にのぼりますが(平成29年)、これは日本人のおよそ30人に1人の割合です。生涯を通じて5人に1人がこころの病気にかかるともいわれています。
こころの病気は特別な人がかかるものではなく、誰でもかかる可能性のある病気といえるでしょう。

こころの病気は回復しうる病気です

こころの病気にかかったとしても、多くの場合は治療により回復し、社会の中で安定した生活をおくることができるようになります。最近では、効果が高く副作用の少ない治療薬も出ていますので、以前よりも回復しやすくなっています。
こころの病気になった場合は、体の病気と同じように治療を受けることが何よりも大切です。ただし、早く治そうと焦って無理をすると、回復が遅れることがあります。「焦らず、じっくりと治す」という気持ちで臨むことが回復への近道です。

こころの病気を正しく理解しましょう

こころの病気は、本人が苦しんでいても、周囲からはわかりにくいという特徴があります。
私たちは、病気や怪我をした人には「無理はしないでね」と、自然に声をかけることができます。骨折をしている人に、重い荷物を運ぶことは頼まないでしょう。しかし、こころの病気の場合は、外から見ても気がつかないことがあり、知らないうちに無理なことをさせたり、傷つけていたり、病状を悪化させているかもしれません。
私たちみんながこころの病気を正しく理解することはとても大切です。

周りの人の不調のサインに気付いたら…
普段の様子を気にかける

会社や職場は、定期的に同じメンバーと顔を合わせる場所です。そのため、周囲の人の体調や行動の変化に気づきやすい場所と言えます。早く気付いて早く対応することで、症状が重症化することを防ぐことができます。また、周囲の人や職場への影響も小さくできる可能性があります。

周囲の人の変化、「いつもと違う」ということに気付くためには、いつもの様子を知っておく必要があります。普段から一緒に働く周囲の人に関心を寄せておくことが、変化に気づきやすくなることにつながります。

思いを傾聴する

傾聴とは、相手の話に判断や批判を加えず、相手の気持ちや考えを受け止めて話を聴くことを指します。字の通り、「心と耳を傾けて聴く」ことです。相手の話に心と耳を傾けて聴くことは、相手を理解しようという姿勢がないとできません。傾聴は、こちらの知りたいことを聞くことではなく、目の前にいる相手が何を考えて、どのような気持ちでいるのかを知り、そのままの相手を受け入れるという姿勢が基になります。

傾聴することで、相手は「気持ちを分かってもらえた」「理解してもらえた」という安心感を持ち、信頼関係につながると言われています。

⇒こころの耳 傾聴ページ
https://kokoro.mhlw.go.jp/listen_001/

一人で抱えないで、上司や事業所内の産業保健スタッフに相談する

周囲の人から、悩みや不調について相談を受けた時に、全てを一人で解決する必要はありません。一人の力で解決することが難しい場合には、本人の許可をもらった上で、職場の上司に相談することも必要です。また、場合によっては、職場内の産業保健スタッフや、職場外の医療機関、相談機関につなぐことを検討した方がよいこともあります。