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不健康な生活から 生活習慣病へLifestyle Diseases

不健康な生活から生活習慣病へ

生活習慣病とは「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関わる病気」のことを指しています。
不健康な生活習慣は病気になるリスクを高めてしまうと言われています。

  • 食 習 慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、脂質異常症(家族性のものを除く)、高尿酸血症、循環器疾患(先天性のものを除く)、大腸がん(家族性のものを除く)、歯周病等
  • 運動習慣:インスリン非依存糖尿病、肥満、脂質異常症(家族性のものを除く)、高血圧症等
  • 喫  煙:肺扁平上皮がん、循環器病(先天性のものを除く)、慢性気管支炎、肺気腫、歯周病等
  • 飲  酒:アルコール性肝疾患等

早い段階で生活習慣を改善すれば 将来の病気のリスクを軽減できます。

高血圧

1.血圧とは 血圧は一般的には動脈内部の圧力のことを指し、血圧値は心臓から送り出される血液の量と血管のしなやかさで決まります。血圧は心臓の動きによって大きく変動し、通常、最大となる値(収縮期血圧)と最小になる値(拡張期血圧)で示されます。

2.血圧が高いと注意が必要な理由は? 血圧が高い状態が続くと、血管は張りつめた状態に長くおかれるため、次第に厚く硬くなり、血管本来のしなやかさを失ってもろくなってしまいます(動脈硬化)。自覚がないまま動脈硬化は進行し、やがて循環器病(脳卒中や心疾患など)を引き起こしやすくなるのです。これが、血圧が高いと注意が必要な理由です。

3.血圧が高いと循環器病になりやすい 下図は血圧測定した人をその後何年も追跡して、どんな人が循環器病になりやすいかを調べた調査から作成したものです。
この図では望ましいとされる血圧の人と比べてどのくらい循環器病になりやすいかをおおよその倍率で示しています。血圧が高くなるほど循環器病になりやすく、正常域血圧の中でも血圧が高めのほうが循環器病になりやすいことがわかります。望ましいとされる血圧以外の人は生活習慣の改善が必要です。

厚生労働省 「スマート・ライフ・プロジェクト」

脂質異常症

1.脂質異常症とは 血液検査でLDLコレステロールが高い、中性脂肪(トリグリセライド)が高い状態を以前は「高脂血症」とよんでいました。文字どおり血液中の油脂の割合が高くなっている状態です。

健診で測定される脂質には表で示した3つがあります

厚生労働省 「スマート・ライフ・プロジェクト」

2.脂質異常症に注意が必要な理由は? 脂質異常症があっても、通常何の症状もありません。しかしコレステロールが高いと動脈硬化を起こしやすくなります。

3.動脈硬化を起こし、心筋梗塞や脳梗塞の原因に 動脈硬化が進むと血管が狭くなり血液の流れを妨げます。これが心臓の筋肉に酸素と栄養を送っている冠状動脈に起こると危険です。冠状動脈が狭くなっているとき、運動など心臓の筋肉がたくさんの酸素を必要とするような行為を行うと狭心症を発症し、胸痛・動悸・息切れ・めまいなどを起こすことがあります。

また動脈硬化のこぶが破れるとそこで急に血液が固まって、そこから先へ血液が流れなくなります。血液が流れなくなるとその先の細胞が壊死してしまうので緊急事態となります。これが冠状動脈で起こったのが心筋梗塞(狭心症と合わせて虚血性心疾患とよびます)、脳の動脈に起こったのが脳梗塞(特に皮質系脳梗塞)ということになり、命に関わります。

厚生労働省 「スマート・ライフ・プロジェクト」

4.コレステロール値と心筋梗塞の危険性 下図は、LDLコレステロールを測定した人を何年も追跡してどんな人が心筋梗塞になりやすいかを調べた調査から作成しました。ここではLDLコレステロール140mg/dL未満の人と比べてどのくらい心筋梗塞になりやすいかをおおよその倍率で示しています。LDLコレステロールが高くなるほど心筋梗塞になりやすいことがわかります。

中性脂肪が高い場合も虚血性心疾患を発症しやすいといわれていて、特に300mg/dLを超えるとリスクが高くなります。またHDLコレステロールが40mg/dL未満と低い場合も虚血性心疾患になりやすいことがわかっています。また高トリグリセライド血症や低HDLコレステロール血症は、メタボリックシンドロームの一部で、内臓脂肪の蓄積を反映している場合もあります。

糖尿病

1.血糖値とは 私たちの細胞が生きていくためには、エネルギー源としてブドウ糖が不可欠です。血液中のブドウ糖の濃度を血糖値といいます。ブドウ糖を各細胞にうまく配分していくために、インスリンなどのホルモンが調整役を担っています。肥満や運動不足の場合には、インスリンの働きが悪くなるため、血糖値が高くなります。また、加齢や体質によりすい臓からのインスリンの分泌力が弱くなると、太っていなくても血糖値が高くなることがあります。

2.なぜ高血糖になってしまうのか 私たちが食事をすると、血糖値が一時的に上がりますが、普通はすい臓からすぐにインスリンが分泌されるので、細胞内にブドウ糖が取り込まれて血糖値は下がってきます。
しかし、内臓脂肪型肥満や運動不足の場合にはインスリンの働きが悪く、なかなか血糖値が下がっていきません。
またインスリンの分泌量が少ないときも、食事の血糖値が高い状態が続きます。食べ過ぎて血液中にブドウ糖が多く供給されれば、血糖値は高くなります。一方、運動すると筋肉にブドウ糖が取り込まれるため、血糖値が早く低下します。

3.放置しておくとどうなるか 糖尿病予備群や軽症糖尿病の段階では、自覚症状はありませんし、ちょっとした生活改善で正常な値に戻ることもあります。しかし、これまでと同じような生活を続けていると本格的な糖尿病に進行します。糖尿病の合併症は、糖尿病予備群の段階から進行することも知られています。ですから、本格的な糖尿病を発症する前に、生活習慣を改善し、血糖値をコントロールすることが大切です。