ポジティブシンキングでストレス回避
実践する
(1)ストレス回避の発想法
できるだけ悪玉ストレスを溜め込まないためには、考え方の転換を図ることが大切です。
次のような点に気をつけてみてはいかがでしょうか。
(1)ポジティブシンキング
ストレスが大きく関係していると言われる慢性疲労症候群。その患者には、「注意深く細やかなことをすることは得意でも、些細なことが翌日になっても気になる」タイプが多いと言われます。たとえ辛い出来事や失敗があったとしても、「これはさらなる飛躍を成し遂げるための試練である」などと前向きに考え、過ぎたことは深追いせず、先のことを考えるようにしましょう。
このような「明るく受け流す態度」によって、精神疲労の原因となる神経系・内分泌系・免疫系の機能低下による悪循環を未然に防ぐことができると言われています。
(2)生活に、もっと「笑い」を
大笑いは内臓のジョギングとも言われ、適度な運動に匹敵する効果があるそうです。大笑いをすると腹式呼吸をしたときと同様に副交感神経の働きが優位になり、リラックス状態をもたらしてくれるのです。また、脳内モルヒネやβエンドルフィンという鎮痛作用や快感作用のある神経伝達物質が増加するという作用もあります。
その他、笑いによってNK細胞という免疫細胞の活性化が促され、免疫力の低下によって引き起こされるがんなどの病気の予防や治療に役立つことがわかっています。作り笑いでもNK細胞は活発になると言われるので、鏡を見て練習を。
(3)褒めて、褒められてストレス解消
どんなに辛い仕事でも、上司や仲間から「ありがとう」「お疲れ様」の一言があり「頑張った甲斐があった」と思えれば、疲れが吹き飛んでしまうもの。人は褒められることである種の達成感を得ることができ、それによってストレスや疲労が軽減します。
また、褒められるだけでなく、人を褒めることも自分にとってプラスに。褒めることは、肯定的な眼鏡で人を見て、相手に対して感じた「小さな感動」を自分にフィードバックすることになるのです。これを続けていくうちに、自然にポジティブシンキングが実践できます。
(2)ブリーフ・リラクセーションのすすめ
「ブリーフ・リラクセーション」は、もともと高血圧の治療に用いられて大きな効果を上げた、手軽に行えるリラックス法。日々のちょっとした合間に取り入れてみてはいかが?
(1)環境準備
明るすぎず暗すぎず、適度な室温で、なるべく静かな部屋で行うと効果的です。ベルトやネクタイ、腕時計など、からだを締めつけるものをはずし、できれば靴下も脱ぎます。ただし、全て整っていないといけないわけではないので、できる範囲内で大丈夫です。
(2)ブリーフ・リラクセーションの進め方
- 【1】イスに深く腰掛け、軽く目をつぶり、背筋をまっすぐに伸ばします。両腕は脇にたらし、両足は投げ出すように前方へ伸ばします。
- 【2】大きく息を吸い込み、両こぶしをぎゅっと握って全身に力を入れ、数秒間緊張させます。
- 【3】その後、一気に力を抜き、全身をダランと脱力させます。
- 【4】【2】~【3】の動作を5分くらい繰り返します。はじめのうちは雑念が浮かんできますが、気にせずにやりすごしましょう。深いリラクセーションが得られたかどうかは気にしなくてもかまいません。リラクセーションが自然に得られるのを待つという心構えが大切です。十分にリラックスすると、手足の先端がしびれる感じやポカポカ温かい感じがしてきます。
(3)動作の終了
終わったら、意識を現実の世界に戻すために「取り消し動作」を行います。目をつぶり、こぶしを握った両腕を胸に引き寄せてギュッと曲げ、勢いよく前に伸ばしながら手を開きます。これを3回繰り返し、最後に深呼吸を1回して目を開きます。