

子どもの健康Children’s Health
胃腸炎や食あたりなど、急な嘔吐や下痢の症状の時に覚えておきたい、家庭でできる対応についてご紹介します。
何度も吐いてしまうときは、ペットボトルの蓋ですくえるぐらいの少量の経口補水液から
何を飲んでも食べても吐いてしまう場合は、少しずつなら何とかなることもよくあります。小さじ1杯ずつ、なめるくらいのスピードから始めてみましょう。OS-1(オーエスワン)などの経口補水液だと塩分も一緒にとれるのでベストです。
下痢止めで無理に止めず、自然に外に出す
お腹の中で悪い病原体が増えてしまっているときは、身体の外に出すのが自然な形です。つまり下痢は、身体が治ろうとして活動している証なのです。薬を使って無理に止めると病原体の排泄を遅らせてしまうので、最近は下痢止めを使わないのが一般的です。
家庭内で移さないよう、石鹸での手洗いを
胃腸炎の原因として有名なノロウイルスなどには、アルコール消毒が効きません。胃腸炎の子を看病する時には、アルコール消毒ではなく、石鹸で手洗いするよう心がけましょう。
そもそもワクチンって何?
ワクチンとは、感染症やその重症化の予防に使う医薬品です。感染症とは、病原体が体内に入り込んで増え、症状が出る病気のことを言います。症状は病原体の種類によってさまざまで、発熱や吐き気、下痢や咳などがあります。ワクチンは子供から大人まで広く使われ、世界では毎年250万人以上もの子供の命を感染症から救っていると言われています※1。

ワクチンはなぜ効くの?
体の抵抗力を強めて感染症から体を守る
ワクチンは、体の抵抗力を強めて感染症から体を守ります。この抵抗力のことを「免疫」と呼びます。
免疫には記憶力があり、一度闘った相手のことを覚えてくれます。このおかげで、私たちの体は一度かかった感染症にはその後かかりにくくなります。
ワクチンは、感染症になる前に免疫に「練習」をさせて相手のことを覚えさせ、抵抗力を鍛える道具として働きます。免疫は、ワクチンという練習台で本物の病原体との闘い方を事前に覚えます。そうすると、その後本物の病原体がやってきたときに免疫は効率的に闘うことができるので、体を守ることができるのです。

お子さんのワクチンの種類や接種スケジュールがわからない、確認したい場合は、「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 」なども活用してみましょう。
※1 WHO「E-learning course on Vaccine Safety Basics」